誰でも簡単!売却価格の算出方法<マンション編>

不動産売却

どうもRSです!

不動産の売却を始めて一括査定サイトなどで、不動産会社に不動産の売却査定を行なったけれども、提示された価格が思っていた価格と違っていたなんてことはありませんでしょうか?

不動産のプロが査定した金額だから間違いないと思うけどその金額が適正なのかどうなのかは調べる術もないのでわからないですよね。

万が一、相場よりも安い価格で売ってしまったら実質的に損を被ることになってしまいます。不動産の査定金額は100万円単位で変わってきますので、その損害は見過ごせない金額です。

そこで今回は一般の方でもマンションの相場を簡単に調べることができる方法について解説していきます。この方法を試していただければ、ある程度精度の高い相場に即した売却価格の算出ができるようになると思います。

今回の記事はこんな方におすすめの記事です。

  • 不動産会社から提示された売却価格が妥当なのかを検証したい
  • 売却対象のマンションの近隣相場を調べたい

売却価格算出の予備知識 売出価格と成約価格

売却価格の算出方法について解説する前に、予備知識として売出価格と成約価格の違いについてご説明したいと思います。

不動産の価格を調べる際にスーモやホームズなどの不動産情報サイトをご覧になる方は多いと思います。

まずご注意いただきたいのは、不動産情報サイトに掲載されている不動産の販売価格、いわゆる売出価格はあくまでも売主が希望する販売価格であり、実際に成約する(または「した」)価格、いわゆる成約価格とは異なる可能性があるということです。

売主サイドから考えてみると分かり易いですが、売主は少しでも高く売りたいというのが心情なので、相場よりもちょっと高めに売出価格を設定することが多々あります。特に販売開始直後はその傾向が強いです。

ですので、不動産情報サイトに同じような物件がこの価格で売り出しているからといって、単純にご自身の不動産も同じ価格帯で売れるはずだと考えるの早合点です。

不動産の売却価格を算出する上では、売出価格(現在売り出している価格)ではなく、成約価格(実際に売れた価格)をベースに考えた方がより精度の高い売却価格が算出できるのです。

成約価格ベースで算出された売却価格をもとに、じゃあ売出価格をいくらにしようかという売却活動の戦略についてはまた別の話という訳です。

では、不動産の成約価格をどのように調べればよいか、その方法について掘り下げていきます。

不動産の成約価格を調べる方法 ーレインズマーケットインフォメーションーの活用方法

不動産の成約価格を調べるに当たって非常に便利なサイトがあります。それは、「レインズマーケットインフォメーション」というサイトです。

このサイトは国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する「REINS」というサイトに掲載されている不動産の成約情報の一部を閲覧することができるという非常に便利なサイトです。

ちなみに、「REINS」自体は不動産業者以外は閲覧ができない仕組みになっております。

レインズマーケットインフォメーションはこちらから

上記サイトのトップページには、「マンション」と「戸建」に分かれて取引情報検索(成約情報の検索)の表示があり、調べたい不動産のエリアを選択して情報を検索することができるようになっております。

検索すると「取引情報一覧」という見出し以下に成約情報のリストが表示されます。この情報が不動産の売却価格を算出するためのベースとなる情報になります。

このリストの情報からご自身の不動産と条件が近い物件がいくらで成約したのかを確認し、その成約情報に基づいて売却価格を算出していきます。

次はこの情報をどのように活用するのか、その方法について解説していきます。

成約情報から売却価格を算出する方法

前述の検索方法により対象エリアの成約情報をリストアップしましたら、今度は売却の対象となるマンションと条件が近い成約情報を探します。基準は以下の通りです。

  • 築年
  • 最寄り駅からの距離
  • 間取り

検索をかけるエリアと時期によっては成約情報の件数はまちまちですが、成約情報は豊富な方が客観性が保てるので売却価格算出の精度を上げるのには有利です。

なお、リストの項目に「改装」という項目があります。この項目が「改装済」となっている物件はリフォームまたはリノベーションを行ったことを表しております。個人の方が不動産売却の為にリフォームまたはリノベーションを行うことはほぼ無いと思いますので、こちらの項目が「改装済」になっている物件についてはリストから除外するようにしてください。そうしないと意図せず売却対象マンションの坪単価が高く算出されてしまい売却価格算出の精度が落ちてしまいますのでご注意ください。

売却対象マンションと近似条件の成約情報が絞り込めましたら、その物件の「坪単価」を求めていきます。 計算方法は以下の通りです。

手順1 専有面積(㎡)を坪に換算します。

計算式 専有面積(㎡) ÷ 3.305785 = 専有面積(坪)

なお、サイトに掲載されている専有面積は5㎡の幅を持たせて表記されております。計算を行う上で最小または最大、どちらの面積を採用するのかという判断がありますが、結論としてはどちらでも大丈夫です。ちなみに最小を選ぶと坪単価は高く、最大を選ぶと坪単価は低く算出されます。

手順2 当該物件の坪単価を求めます。

計算式 価格 ÷ 専有面積(坪) = 坪単価

近似条件の成約情報が複数ある場合は、上記の手順を踏んでそれぞれ坪単価を算出し、その坪単価の平均値を採用しましょう。

計算方法以下の通りです。

例)近似条件の成約情報3件あり、それぞれ以下の坪単価であった場合

成約情報①の坪単価 @100万

成約情報②の坪単価 @80万

成約情報③の坪単価 @90万

計算式:(成約情報①の坪単価+〃②の坪単価+〃③の坪単価‥) ÷  合計した坪単価の件数

    = 坪単価(平均値)

計算例:(100万+80万+90万) ÷ 3 = 90万

上記の計算により、平均の坪単価は90万と算出ができます。

近似条件の成約情報の坪単価を算出しましたら、今度は売却対象となるマンションの専有面積を坪に換算し、坪単価をかけて売却価格を算出します。

例)マンションの専有面積が70㎡の場合

手順1 専有面積(㎡)を坪に換算します。

計算式 専有面積(㎡) ÷ 3.305785 = 専有面積(坪)

計算例 70㎡ ÷ 3.305785 = 21.17坪

手順2 マンションの売却価格を算出します。

計算式 専有面積(坪) × 坪単価 = 売却価格

計算例 21.17坪 × 90万 = 約1,905万円

計算の結果、マンションの売却価格は、1,905万円と算出ができました。

実際に成約した情報元にした売却価格の算出となりますので根拠のある数字といえますが、あくまでも売却対象のマンションの個別要因を考慮しない平均値の価格になります。

実際の売出価格を決めるにはこの売却価格を基準として、エリアの市況や在庫状況、対象となるマンションの部屋のメリット・デメリット等を考慮し、最終的にな売却価格を決定していきます。

なお、上記の結果は売却対象マンションの近似条件の成約情報が複数件あった場合を想定しております。しかしながら、エリアによっては近似条件の成約情報が無い場合もあります。これは、そのエリア内で取引が行われて初めて情報が掲載される仕組みのためです。(取引がなければ当然情報も発生しないということです)

その場合、どのように売却価格を算出すべきでしょうか。次は近似条件の成約情報がない場合の売却価格の算出方法について解説してみたいと思います。

近似条件の成約情報がない場合の売却価格の算出方法

マンションの成約情報が1つもないといった状況では流石にお手上げですが(笑)、ピンポイントの成約情報はないけれど、それ以外の成約情報は掲載があるような場合であれば、精度は落ちますがある程度の見込みの売却価格を算出する方法があります。

まず、成約情報の掲載状況としては、こんなシチュエーションが想定されます。

調べたいマンションの築年が仮に2010年代のマンションだった場合で、築年が2015年の成約情報と2000年の成約情報はあるけれど、肝心の2010年代の情報がない、なんてケースです。ちょうど調べたい年代の成約情報がスッポリ抜けているといった感じです。

その場合、調べたい築年の前後の年代の成約情報からそれぞれ坪単価を算出し、坪単価の上限・下限を設定するという方法が有効です。この方法によって、売却対象となるマンションの売却価格の価格帯が絞り込むことができます。具体的にみていきましょう。

例として、築年2015年の成約情報の坪単価が300万築年2000年の成約情報の坪単価が250万だった場合で計算してみます。

まず前提として、築年が新しい方が価値が高い、つまり坪単価が高くなるという考え方がベースなります。そうしますと、売却対象マンションの坪単価は、築年2015年の坪単価300万を超えることはないが、逆に築年2000年の坪単価250万を下回ることはないとう理論が成り立ちます。

こんな感じですね。

300万(2015年) > 売却対象マンションの坪単価 > 250万(2000年)

結果、売買対象マンションの坪単価はおよそ250〜300万の間に収まってくるだろうという推論になるわけです。

次に、対象エリアの年ベースの坪単価減少の割合を出します。今回のサンプル値は築年2015年の坪単価が300万、築年2000年の坪単価が250万ですので、約15年が経過して、坪単価が50万下がった形になります。

上記を踏まえて具体的に計算をしてみます。

1年あたりの坪単価減少額

計算式:坪単価減少額(計測期間) ÷ 経過年数 =1年あたりの坪単価減少額

計算例:50万円 ÷ 15年 = 約3.3万円

1年あたりの坪単価減少割合

計算式:1年あたりの坪単減少額 ÷ 坪単価減少額(計測期間)=1年あたりの坪単価減少割合

計算例:3.3万円 ÷ 50万円 = 0.066(6.6%)

最後に売却対象マンションの築年2010年の坪単価を算出してみます。

計算式:計測期間の坪単価上限 ー (坪単価減少額(計測期間)× 1年あたりの坪単価減少割合 ×   経過年数)= 経過年数後の坪単価

計算例:300万円 ー (50万円 × 6.6% × 5年) = 約283.5万円

上記の結果、売却対象マンションの坪単価は約283.5万円という結果になりました。

ピンポイントの成約情報がない中での算出ですので精度は落ちますが、そこまで的外れではない売却価格が算出できると思います。

マンション売却価格の増価要因・減価要因

最後にマンションの売却価格に影響を与える増加要因・減価要因についてご紹介したいと思います。

マンションの減価要因について

減価要因について マンションの減価要因としては以下の点が挙げられます。

  • 採光(バルコニー)が北向き ※日当たりが悪い為
  • 設備が無く不便(エレベーターや駐車場の有無等)
  • 管理形態(自主管理)
  • 低層階(特に1〜2階)
  • 部屋の配置(エレベーターが隣接している等)
  • 旧耐震(昭和56年以前に建築された建物)

マンションの増価要因について

続いてマンションの増価要因ですが、以下の点が挙げられます。

  • セキュリティ(オートロック)
  • 管理人常駐(コンシェルジュサービス等)
  • 角部屋
  • 専用ポーチ
  • 高層階(眺望が良い)
  • ルーフバルコニー
  • 専用駐車場

概ね上記がマンションの価格に影響を与える要因になります。売却対象のマンションに該当する要因があれば、それを売却価格に反映することによって、さらに精度の高い売却価格が算出できると思います。

まとめ

今回のまとめです。

・売出価格と成約価格は別物。

・売却価格を算出するためには、成約情報から近似条件のマンションの坪単価を算出する必要がある。

・成約情報を調べるには「レインズマーケットインフォメーション」というサイトを活用する。

・成約情報から算出した売却対象のマンションの売却価格はあくまでも平均値。実際の売出価格は、エリアの市況・在庫状況、対象マンションの部屋のメリット・デメリットを考慮して決定する。

・近似条件の成約情報が無い場合でも、売却対象のマンションの築年に近い成約情報を活用し、坪単価の価格帯を絞り込むこによって、ある程度の精度を保った売却価格の算出ができる。

・マンションの売却価格の増価要因・減価要因を売却対象のマンションの売却価格に反映させることにより、さらに精度の高い売却価格を算出することができる。

今回ご紹介した方法をぜひご活用いただき、適正な売却価格を見極める一つの基準にしていただければ幸いです!

以上、RSでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました